【ファミリーツリー】「家族ってのは群島のようなものだ」
【おすすめ度】
【こんな人におすすめ!】
- 家族ものがみたい!
- 気分転換したい!
- ハワイすき!
- 名作を知りたい!
- 英語を勉強したい!
【あらすじ】
ハワイのオアフ島ホノルルに住む弁護士マット・キング(ジョージ・クルーニー)。
ハワイに住むマットは友人達から天国だろうと羨ましがられている。
しかし実際は「ハワイに住んでいてもサーフィンなんか15年くらいやっていない」「愛すべき妻は事故で意識不明だ」など仕事に追われる日々であり愛妻のエリザベスは不慮の事故で意識不明になるなど色々な悩みを抱えていた。
仕事一本のマット、実はカウアイ島にある1860年代から先祖代々受け継がれてきた広大な土地を所有している由緒正しき家計。売却すれば数億ドルもの資金が入る。
周りの親戚達も売却で得る資金を欲していたし、マット自身、愛妻エリザベス(パトリシア・ヘイスティ)とその資金でゆったり過ごしたいと考えていた。
そんなある日、エリザベスが海でボート事故に遭い、意識不明の重体となる。
装置でなんとか命を保っていたが、医者からも意識は戻る事は無いと宣告される。
マットは覚悟を決め、離れていた娘たちを呼び戻すことに。
今まできちんと娘と接してこなかったマット。次女スコッティ(アマラ・ミラー)は、母親がいないせいか情緒不安定に。
さらに全寮制学校へ通う長女アレックス(シェイリーン・ウッドリー)を久々に迎えに行くと、心の動揺や二日酔いのせいで、こちらも大問題児と化していた。
そんな中、意識を失っているエリザベスが浮気をしていた事が発覚する。
そこで娘たちと情報を集め、浮気相手を探るが……
【評価抜群の美しい作品】
アカデミー賞をはじめ、様々な賞にノミネート、受賞。
アメリカの超有名レビューサイトRotten Tomatoesでの支持率も90%を超えるなど高く評価されている。
実際、劇中はハワイのロケーションが美しくリアルに描かれており、ハワイに行った様な気分になります。(いったことないですが…)
その美しい背景の中、浮気や離婚。親戚間のゴタゴタなど内容はヘビーですが見終わったあとは不思議とさわやかな感情になっている。そんな作品です。
この作品は非常にネイティブな英語の台詞が多いため
ネイティブ英語を勉強されている方にもおすすめです!
【ダサかっこいいカメハメハ大王の末裔】
主人公のマット・キング(ジョージ・クルーニー)は広大な土地を受け継いでいる由緒ある家計の人物。(あのカメハメハ大王の末裔という設定)
しかし、いつもアロハシャツを来ていて、自由奔放な娘たちに翻弄されたり、裸足でハワイの街を駆け回ったり、不器用な父親を演じているジョージ。
マットは決してかっこいいといえないいわゆる「ダサい父親」です。ただ演じているジョージが
イケメンすぎてそれもまたカッコ良く見えてしまうジョージマジック。
今までジョージ・クルーニーといえば「バットマン」や「オーシャンズ11」などのクールでカッコいいイメージだったのですが、違和感を感じさせる事の無い、彼の名演技を楽しむ事ができます。
余談ですが…
ファミリーツリーを観た後に、別作品になりますがジョージ・クルーニー主演の
「バーンアフターリーディング」という作品を観ました。これまた浮気をしまくる最低な人物の役なのですが、ジョージクルーニーはこうゆう不器用でダサめの役もしっかり演じられるのだと新たな発見!
彼をさらに好きになりました。
バーンアフターリーディングは今度レビューします!
※ここからネタバレあり!!↓↓
【演技で気付かされるメッセージ】
この作品に込められているテーマとして「家族愛」があります。
その愛という抽象的なテーマをキャスト達の名演技と名台詞によってしっかりと伝わる作品。
マットが自宅のプールサイドで長女アレクサンドラ(シェイリーン・ウッドリー)に母親の死を告白し、プールに潜って泣くシーン。
浮気が発覚したあと、マットが病室のエリザベスの枕元で娘たちに隠れて罵倒するシーン。
アレクサンドラの彼氏のシド(ニック・クロース)の頭の悪さに対して呆れ返っていたマットだったが、シドの恵まれない家庭環境を知って彼への目が暖かくなり「明日また会おう」と部屋を去るシーン。
病室に集った親戚達から娘たちを幸せにできていないと責められるマットを「そんな言い方ないでしょ!パパも辛い中、頑張っているのよ!」とアレクサンドラとシドが声を上げて反論するシーン。
挙げだすとキリがないですが
色々な家族愛を感じられる名シーンの数々をぜひ観てみて感じ取っていただきたいです。
あと特にグッときたのは
作品後半のエリザベスと浮気をしていたブライアン(マシュー・リラード)の妻ジュリー(ジュディ・グリア)がエリザベスの病室に花束を持って来るシーン。
スコッティが「ママの知り合い?」と尋ね、「あったことないけど、良く知っている」という名台詞もありながら
ジュリーは寝ているエリザベスに対して
「私はあなたを許します。夫を奪おうとしたことも、私の家庭を壊そうとしたこと、許すしかないから。どんなに辛くても、許すしかないから!」と泣きながらいうシーン。
生きて行く上で決して許されないものがある中で、許す=生きるということを
美しく表現できている名シーンであり、大切なことを教えてくれるシーンでもありました。
数ある名シーンの中でも、一番締めくくられているなと感じたシーンは本当に一番最後のシーン。
マット、アレクサンドラ、スコッティがソファに座り、親子三人無言でテレビを観ているシーン。
このシーンからエンドクレジットが流れる。
アレクサンドラは遅れて座りに来るが、アレクサンドラに無言で自分がかけていた毛布を分け与えるマット。
無言で絶妙な表情でテレビを見続けるだけのシーンなのに
親子間のあの独特で愛すべき雰囲気を感じられる最高のエンディングでした。
【まとめ】
この作品のメッセージの受け取り方は十人十色だと思います。
悔しいですが、私の陳腐な言葉だけで説明が非常に難しいです……
実際に観て、実際に感じてほしい作品です。それほど私はメッセージ性の強い名作だと感じています。
【作品情報】
監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:アレクサンダー・ペイン
製作:アレクサンダー・ペイン